08年の予選で全仏に初めて出場して以来、区切りの10度目の挑戦となる世界7位の錦織圭(29=日清食品)が好発進だ。大会推薦出場で同153位のカンタン・アリス(フランス)に6-2、6-3、6-4のストレートで勝ち、5年連続で2回戦進出を決めた。次戦では、同85位のジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)-同96位のペーター・ゴヨフチク(ドイツ)の勝者と対戦する。

10年の歩みに思いを込め、錦織が快勝発進だ。第3セットこそてこずったが、100位以下の相手だっただけに、実力の差は明らか。最初の2セットは一方的なプレーで「最後は3オールからいいプレーができた。ストレートで勝ててうれしい」。

昨年も1回戦で似たタイプの大会推薦選手と対戦した。昨年もストレート勝ちだったが、身長193センチで、すべてを強打する相手に面食らった。今年は191センチで、やはり重い球でぐいぐい攻めるタイプ。しかし、昨年の教訓を生かし、錦織のスピードが上回った。

今大会で、37度の4大大会本戦出場となった。もし初優勝した場合、01年ウィンブルドンで41度目の4大大会本戦出場で初優勝したイワニセビッチに次ぐ、男子では史上2番目の遅咲き優勝となる。14年全米準優勝から約5年弱。機は熟した。

身長178センチは、世界のトップでは最も小柄な部類だ。この日も10センチ以上身長差がある相手に立ち向かい、速さと粘りで、完全に相手のパワーを封じ込めた。クレーは、ハードや芝のコートよりも勝率が高い得意なサーフェスだ。錦織が悲願の初優勝に立ち向かう。【吉松忠弘】

錦織圭の話 とてもいいプレーができた。最初の2セットは簡単に取れた。第3セットを相手が積極的に攻めてきたけど、フォアを使ってストレートで勝つことができた。

◆WOWOW放送予定 27日午後5時50分から。28日午前0時から。ともにWOWOWライブ。男女シングルス1回戦ほか。生中継。