ラグビー日本代表プロップ稲垣啓太(29=パナソニック)のW杯での活躍に感動した新潟市の企業が20日、粋なクリスマスプレゼントを贈った。

道の駅「新潟ふるさと村」と名産の雪室珈琲を製造する鈴木コーヒーは、稲垣の代表初トライとW杯8強を祝い「オリジナルドリップコーヒー」(非売品)を500個製造した。パッケージには座右の銘や、小学生の頃の笑った写真が使われている。コーヒー500個と和菓子店「田中屋本店」の笹(ささ)団子100個をまとめてこの日発送し、21日に到着予定という。

稲垣は全国各地にお気に入りカフェがあり、自宅用に数十万円のエスプレッソマシンを購入したほどのコーヒー通。パッケージデザインを担当した新潟ふるさと村企画部の大橋佑充さんは「稲垣選手のおかげでW杯以降、沢山の方が新潟に注目してくれています。本当に感謝しかありません。ありがとうございました」と感謝の言葉を口にした。

地元愛に満ちた男だ。帰省すると、必ず新潟ふるさと村へ立ち寄る。2年前、新潟が誇るB級グルメの「イタリアン」Tシャツを購入するために初来店して以降、各店舗を回って鮮魚や酒などの旬のものを確認するようになった。今では実家の両親におつかいを頼まれて、食材を買ったり、田中屋本店でパナソニックのチームメートに笹(ささ)団子を大量購入するのがお決まりだ。11月に凱旋(がいせん)した時も、市内の関係各所へのあいさつ回りで分刻みの過密スケジュール中、昼食を食べに訪れた。事務所に顔を出した際は、「ただいま」と言って入ってきたという。

日本代表でありながら、常に原点である「新潟代表」としての気持ちを持ち続ける。W杯では、スパイクに「NIIGATA」の文字を刺しゅうした。地元で応援する新潟県民へ感謝の意を表し、ともに戦う覚悟と決意を示した。29歳の寡黙な仕事人は「新潟にはまだ知られていない良いものがたくさんあります。ラグビーを通じて、全国の方に新潟の魅力を発信するのも僕の役割だと思っています」と話していた。