国際スケート連盟(ISU)は16日、電話会議形式による理事会を開き、延期を模索していたフィギュアスケート世界選手権(3月16~22日、カナダ・モントリオール)を中止にすると正式決定した。

新型コロナウイルスの影響で3月に開催できなくなり、今年10~12月に代替開催できないか検討していたが「未決定だった世界選手権の開催は不可能だ。キャンセルする必要がある」と発表した。新型コロナの収束が見通せないことや、延期した場合に次の2020-2021年シーズン中盤に組み込まれてしまうことが懸念材料だった。

日本から男子は羽生結弦(25=ANA)宇野昌磨(22=トヨタ自動車)田中刑事(25=倉敷芸術科学大大学院)、女子は紀平梨花(17=関大KFSC)宮原知子(22=関大)樋口新葉(19=明大)らが出場を予定していた。

羽生は、この世界選手権で前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦する意向を示していたが、夢は来季に持ち越しとなった。3月に、いったん中止が発表された際には「来シーズンに向け、今の限界の先へと行けるよう、練習していきます」とコメントし、切り替えていた。

ISUは28日にも理事会を開き、20-21年シーズンの日程などについて協議する。同じように、ショートトラック世界選手権(韓国)とシンクロの世界選手権(米国)も中止となった。