新型コロナウイルスの影響で来夏に延期した東京五輪について大会組織委員会の森喜朗会長(82)が10日、都内で記者会見した。会見前に行われた国際オリンピック委員会(IOC)理事会とのオンライン会合では、簡素な大会に向けた新方針について合意した。

   ◇   ◇   ◇

大会組織委員会とIOCは、大会が目指す新たな方針として「参加者にとって安全・安心環境を提供する」「都民・国民から理解を得るべく延期費用を最小化する」「大会を簡素化する」と3つの柱を掲げた。

具体的な予算削減の原則として大会関係者に対し、参加者の削減要請をすることや、全分野でのコスト削減、サービスレベルの見直し、大会関連イベントの再検討を示した。

武藤敏郎事務総長は、五輪大会の肝である選手と競技は削減の対象としない考えを基本とするとしたが、必要不可欠な状況になった場合「新たな状況に即した対応を行う」とし、聖域も削減対象となる可能性を示唆した。

新たな工程表も公表。全43会場との交渉について武藤氏は「6月末をめどに交渉している。大部分は見込みがついている」と前向きに語った。簡素化の具体的な検討項目は「200以上でIOCと洗い出しを行った」と説明。新型コロナ対策は今秋から年末に検討する。