女子でショートプログラム(SP)首位の紀平梨花(18=トヨタ自動車)がフリー・154・90点の合計234・24点を記録し、2連覇を飾った。

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紀平さんの4回転サルコーはパッケージとして本当に素晴らしかったです。いまの競技では、跳ぶ前後の正確さ、確実性が求められます。ただ跳んだだけでなく、あれだけの完成度で踏み切り、着地まで決めてみせた。そこに価値があります。

選手は各自の体形や筋力で跳び方に特徴があります。坂本選手は臀部(でんぶ)、太ももの力が強く、パワータイプの幅の広いジャンプで、伊藤みどりさんのようです。紀平さんは軸をコンパクトにまとめて高く持っていく。92年アルベールビル五輪金のクリスティ・ヤマグチさんのようです。踏み切るタイミングもうまいです。

日本人では安藤美姫さんが決めてから長い時間がたちました。背景には、女子は男子と違い4回転は必要でない状況がありました。3回転半と、連続3回転に、表現力を加えた争いでした。しかしいま、ロシア勢を中心に女子でも4回転ジャンパーが多数出ています。勝つためには必要になったことが、この挑戦と成功を呼んだと思います。

ロシア勢にとっても紀平さんの成功は影響を及ぼすはずです。あれだけきれいに決めた事実は大きいです。ライバルがいることは選手にとっては大事な存在です。切磋琢磨(せっさたくま)して北京五輪に向かっていってほしいですね。(カルガリー五輪代表)