タレントおのののか(29)を妻に持つ塩浦慎理(29=イトマン東進)は東京オリンピック(五輪)出場の道が途絶えた。

50メートル自由形決勝で22秒06の4位。21秒67の日本記録を持つ得意種目で、派遣標準記録を21秒77を突破する2位以内に届かなかった。

「今回に関しては準備不足」と、2大会連続五輪を逃した結果を受け止めた。妻からは「とにかく自分のことに集中して。今までやってきた自分を信じて」との言葉をもらい、レースに向かったという。「もうちょい、かっこいいところ見せたかったですけど、残念でしたね」と話した。100メートル自由形は5位で、リレー代表入りも逃していた。

進退を考える意向を示した。「準備不足」とはいえ、50メートル自由形は19年世界選手権で日本勢18年ぶりとなる決勝進出を果たし、8位入賞した種目。「ここで代表入れないとも思っていなかった。この先、どうするかは、まだ全然分からない。ちょっとゆっくりしてもいいのかなと思う。水泳を続ける、続けないというのも、去年まではもっともっと速くなれると思っていたのですけど、今はやる気が見つからないという状況」と素直な胸中を吐露した。その上で「泳ぎたいという気持ちがあれば、また覚悟を決めてやりたい」とも言った。

五輪が1年伸びたことによって、競技に対するモチベーションは大きく影響したという。「リオ終わってからの4年は頑張ってきたが、延期した後に頑張れなかったというのが、今回の敗因」。また「結局、頑張らなかったのは自分。そんなに悔しさも正直、ないんです…。だから、この感じで競技を続ける必要はあるのか、と自分で思っていますね」。口調は淡々としていた。結婚したのも五輪延期後の昨年9月。「結婚は僕の中ですごく大きなイベントだったんですけど、結婚して近くで応援してくれる妻がいたり、すごくやる気をもらっていたので、結婚してなかったら、もっとこの大会に出ていなかったかもしれません」とも話した。