大学王者の天理大が開幕戦で大金星を許した。昨季リーグ最下位の近大に1トライに封じられ7-23。15年最終節同大戦以来リーグ6年ぶりの黒星となり、連勝は「32」で止まった。

昨季、関西勢として36季ぶりに優勝した全国大学選手権決勝の先発9人が抜け、関西6連覇へまさかの黒星発進。近大は9年ぶりの同選手権出場へ、次は同大戦(10月9日、布引)。立命大は43-24で関学大に勝った。

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選手全員が初めて味わう、関西での黒星だった。約8カ月前、国立を沸かせた天理大がらしさを失った。風下の前半は0-10。後半は一時3点差に迫ったが、FW戦で劣勢となり、強いタックルで食い込まれた。フッカーの佐藤主将は「プレッシャーに受けてしまった。自分たちのふがいなさで負けた」と絞り出した。

日本代表WTBフィフィタ(近鉄)ら、昨季のチームを支えた主力9人が卒部した。その中でも経験豊富なNO8モアラ、WTB江本らが春に故障で離脱。小松監督は「思ったようなメンバーで試合ができていない。そこは心配だった」と漏らした。思い切りのいい藤原、筒口の1年生ハーフ団ももがく展開が続いた。

スクラムなどセットプレーは立て直しが必須。近年FWを強化する同大、伝統的な強みとする京産大など、関西6連覇へ難敵が待つ。小松監督はいつもの冷静な口調で「いつかは負ける。残念だけれど、この負けをどう生かすか。諦めずに頑張りたい」と誓った。底力が問われる。【松本航】