3季ぶりのGPシリーズ参戦となった紀平梨花(20=トヨタ自動車)が、59・27点で8位発進となった。

冒頭でダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を着氷させたが、サルコー-トーループの連続3回転ジャンプは後半が乱れた。最後の3回転ループもステップアウトとなり、得点が表示されると首を横に傾げた。それでもカナダのファンの声援を浴び「内容は何とか耐えた。すごく悪くも良くもなかった。まずは無事にショートを終えられてホッとしています」と振り返った。

我慢の滑りが続く。昨季の右足首疲労骨折から回復途上で、練習後には痛みが出る状態が続いている。右足をつくジャンプは回避しており、27日の公式練習でもオーサー・コーチから柔らかく禁止された。

「確かにその後で、後悔して、またショートの時痛くなってとかはダメなので」

国際舞台、そして練習拠点があるカナダでの開催。気持ちは急くが、焦りが今後に影響することが最も怖い。「そこは自分と戦って、我慢して」と臨んでいた。

女子フリーは29日(日本時間30日)に行われる。「まずはコンディションを万全にして、大きなミスなく笑顔で終えたい」と意気込んだ。(ミシソーガ=阿部健吾)