涙のパリ切符-。昨年世界選手権銀メダルの玉井陸斗(16=JSS宝塚)が、24年パリ五輪を確実にした。予選は401・50点の12位通過、準決勝は427・70点の7位で通過。試合3日前に腰を痛めて、ぶっつけ本番。得点は伸び悩んだが、内定の条件である上位12人による22日の決勝を決めて涙。決勝で棄権などがない限り、東京に続く2大会連続五輪が決まる。大久保柊(26=昭和化学工業)は予選29位で敗退した。

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涙が止まらなかった。玉井は、腰を少し曲げ、ゆっくりと取材エリアで歩を進めた。「(五輪内定に)ホッとしたのと、腰が痛すぎる…」。ひとり、高さ10メートルの位置で不安と闘いながら6本を飛び終えて「最後までやりきれて良かった」と、ほっとした顔で涙した。

予選は得点が伸びず12位通過。準決勝では3、4本目で連続ミス。5本目を終えて11位と、準決勝敗退となる13位以下がちらついた。ラストの6本目は得意の「5255B(後ろ宙返り2回半2回半ひねりえび型)」。高い飛び出し、鋭い回転、ノースプラッシュの入水。この日、自己最高タイの86・40点を出して7位浮上。最後に昨年大会銀メダリストの意地を示した。

ぶっつけ本番だった。3日前の練習中、ぎっくり腰に近い症状になった。練習を封印してこの日の予選に臨んだ。出場40人、3時間にわたる予選で痛みに拍車がかかった。腰には分厚いテーピング。腰を何回もたたいた。「最後が(得意の)5255Bで良かった。いつも助けられる」。

昨春に兵庫・須磨学園に進学した。兵庫・宝塚市内の自宅近くにある練習拠点まで1時間半かかるようになった。練習時間は中学時代より1時間近く少ない2時間~2時間半。量をこなすのは難しくなったが、培ってきた技術で、アクシデントにも負けなかった。

腰への不安は残っているが、22日の決勝は6本飛ぶつもりだ。「無理に頑張る必要はないけど、できることはやらないと」。自分を信じて、全力の飛び込みをする。【竹本穂乃加】

◆玉井陸斗(たまい・りくと)2006年(平18)9月11日、兵庫県宝塚市生まれ。3歳でJSS宝塚で競泳を始め、小学1年で飛び込みを始めた。12歳だった19年に日本室内選手権の高飛び込みで史上最年少優勝。東京五輪7位、22年世界選手権銀メダル。昨春に兵庫・須磨学園に進学した。160センチ、55キロ。