この勢いは本物だ。仙台89ERSが昨季中地区Vの三遠を2日連続で撃破し、B1ではクラブタイのホーム4連勝を飾った。第4クオーター(Q)残り2分53秒に6点差つけられながら粘り、最後は1点差で逆転勝ちした。新加入のジャレット・カルバー(26)が来日最多の40得点。チームは5勝2敗で東地区3位に浮上した。秋田ノーザンハピネッツは2試合続けて第4Qに30点以上失点し、ホームで琉球に連敗した。
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ペイントエリアに走り込んだ船生がレイアップシュートを決めると、ゼビオアリーナ仙台は大歓声に包まれた。試合時間残り2秒、スコアは87-86。直後に激闘終了を告げるブザーが鳴ると、仙台の選手たちは誰彼なく抱き合い、思い切り喜びを爆発させた。
「試合終盤まで、選手たちがチームでやるべきことをやりきってくれた。選手たちをあらためて誇りに思う」。ダン・タシュニー・ヘッドコーチ(HC、44)が言うように、最後まであきらめなかった。試合序盤からフルコートの守備を仕掛けるなど、前日以上に強度を上げてきた相手と一進一退が続く。じりじりと追い詰められ、第4Q残り2分53秒の時点で6点差をつけられた。
しかし、今季の仙台は東地区最下位に沈んだ昨季とは違う。必死に食らいつき、残り8秒、カルバーが逆転の3点シュートを決める。再び三遠に勝ち越されるもラストプレー、エルダーウィッチからの絶妙なパスを受けた船生がベテランらしく決めきった。
特に輝いたのが、NBAのドラフト1位選手として注目を集めるカルバーだ。第1Qからエンジン全開で得点を重ねた。ドライブからのレイアップあり、ダンクありで、3点シュートも13本打ち、7本成功。今季7試合目で来日後最多の40得点をマークした。
「一番大事なのは自信。オフも含めて厳しい練習を積み上げてきたことを信じて、自信を持って打ち続けることが、今日のような結果につながると思う」。7試合で1試合平均22・1得点と、期待に違わぬパフォーマンスを見せている。
チームは昨季の半分近い勝ち星を開幕月だけで稼ぎ、東地区3位に浮上した。しかもこの2試合は強豪相手に先制逃げ切り、競り勝ちと内容もいい。「1つ勝つことの難しさをあらためて学ばせてもらった」。昨日より今日、今日より明日と、日々成長し続けることに重きを置くタシュニーHCはあくまで謙虚だ。合言葉の「ダンダンよくなる」ことになれば、B1では初のチャンピオンシップ出場も決して夢ではない。
◆ジャレット・カルバー 1999年2月20日、米テキサス州生まれ。テキサス工科大で頭角を現し19年4月のNCAAファイナルに進出して準優勝。同年のNBAドラフトで八村塁と同じ1巡目(全体6位、八村は同9位)でサンズ(ティンバーウルブズに即移籍)に指名された。SG/SF。198センチ、88キロ。


