持つべきものは、かわいい後輩-。10日開幕の陸上世界選手権(モスクワ)に出場する日本選手団の第1陣が4日、成田を出発した。男子100メートルの山県亮太(21=慶大)は、ともに日本人初の9秒台を争う桐生祥秀(京都・洛南高)の高校総体3冠を刺激にする。特に「すごかった。あんな走りを自分もしたいと思った」というのが、アンカーで6人を抜いた1日の400メートルリレー決勝。所用を先送りしてまで、テレビの生放送に食い入った。

 無料通信アプリLINEで交流する桐生の大物ぶりにも感心した。「興奮して“おめでとう”って、すぐに送ったら…。テンプレートで返ってきました。付け足しで『3冠に向けて200も頑張ります』ってあったけど」と笑う。返信を定型文で返してきた大胆不敵な後輩?

 を、懐の深さで受け入れた。後輩を立てつつ「疲労を抜いて世界の舞台で自分の走りを見せたい」と10日の予選を見据えた。