<陸上世界選手権>◇最終日◇18日◇モスクワ・ルジニキスタジアム◇男子400メートルリレー決勝

 大会の主役が、最後も輝きを放った。男子400メートルリレーはジャマイカが3連覇。アンカーのウサイン・ボルト(26)は追いすがる米国を振り切り、2大会ぶり2度目の短距離3冠を達成した。「今日も自分のやるべきことをやっただけだよ」と誇らしげに話した。バトンを受けた時点では米国とほとんど差がなかった。しかし100メートル銀メダルのガトリンをぐんぐん引き離し、最後は0秒30差をつけた。

 勝利の後はいつものように、ボルトらしさが全開だった。ジャマイカ国旗を体に巻き「テレビで見て、面白そうだと思ったので」とコサックダンスを披露。記者会見では大会の印象を問われ「俺は正直だから言うよ。(10点満点で)7点。ベストの大会ではなかった。もっとスタンドに観客が入れば良かった」などと注文をつけた。

 世界選手権で獲得した金メダル数は史上最多タイの8個となった。銀2を合わせた総数でも男子最多のカール・ルイス(米国)の10個と肩を並べ「どちらがいい選手かは分からない」と苦笑いで比較されるのは避けたが「ハードな練習と揺るぎない覚悟で、どんなことでも可能だ。また3つの金メダルを狙いにいく」と自信満々だった。