東北福祉大(仙台6大学)は慶大(東京6大学)を7-3で破り、優勝した04年以来14年ぶりの決勝進出を果たした。5回途中から4番手で登板した右横手の津森宥紀(3年=和歌山東)が4回2/3を2安打5奪三振無失点に抑え、流れを呼び込んだ。打っては6回に5点を奪って逆転し、3試合連続の2桁安打となる11安打3本塁打で快勝した。投打がかみ合い、今日17日に行われる国際武道大(千葉県)との決勝戦に勝ち、3度目の優勝を狙う。

 最終打者を二飛に打ち取った瞬間、津森は両手を大きく広げガッツポーズを繰り出した。整列時には相棒の笹谷拓海捕手(3年=花咲徳栄)と抱き合い、喜びを爆発させた。

 津森 変化球でかわして打たれるぐらいなら、真っすぐで押していこうと思った。リズム良く投げられたし、勝てたのは素直にうれしい。

 右横手から繰り出す自慢の直球で、慶大打線をわずか2安打に封じ込めた。この日は自己最速まであと2キロと迫る145キロを計測。浮き上がる独特の球筋を生かし、高め直球での勝負を繰り返した。「自分は高めを振らせるのが持ち味。打者の胸元の球を有効に使えた。今日は高めを振ってもらえた」と胸を張った。

 相手主砲の4番郡司裕也捕手(3年=仙台育英)も脱帽だった。2度の対戦で完全に封じ込まれ、三振も喫した。チーム全体で事前に津森の球筋を研究していたが、「想像以上に高めが伸びて、浮き上がってきた。簡単にはいかなかった」と相手をたたえた。

 今春開幕前の3月29日に右手中指を剥離骨折し、リーグ戦はわずか2試合4イニングの登板に終わった。今大会で完全復調し、3試合で15回2/3を投げて5安打13奪三振1失点。14日には侍ジャパン大学日本代表候補に追加招集された。「リーグで活躍できなかったので、全国では活躍したかった。明日もどんな状況でも投げたい」。自慢の右腕で、3度目の優勝をつかみ取ってみせる。【高橋洋平】