男子で、八戸学院光星が2時間10分42秒で悲願の初優勝を飾った。7区間のうち6区間で区間賞の力走。青森山田が昨年まで20年連続21度優勝していたが、13年連続2位だった光星がついに破った。女子は青森山田が、1時間10分11秒で23年連続23度目の優勝。男女優勝校は全国大会(12月20日、京都)に出場する。

 光星のアンカー松尾鴻雅(こうが=1年)が青森山田に2分6秒の差をつけてゴールに飛び込んだ。「やった!」。選手や関係者から歓声がとどろいた。就任20年目の赤間俊勝監督(41)は「言葉が出ません。涙しか出ない」とうれし泣き。「選手たちはよく頑張った」と声を振り絞った。

 1区、2区とトップの走り。3区で青森山田のケニア人留学生、ジョン・カリウキ(3年)に抜かれたがわずか4秒差だった。4区の長根浩太主将(3年)が好走。再びトップに躍り出て、以降は1度も抜かれず青森山田を振り切った。

 全員地元で飛び抜けた選手はいない。汽車通学の選手もいて、練習時間は午後4~6時の2時間。だが赤間監督が「1つ1つ根拠のある効率的な練習」というメニューを1カ月ごとに選手に渡し、実践してきた。この日は各選手が区間中間で1度ガッツポーズ。タスキは必ず笑顔で渡す作戦で士気を高めた。

 昨年12月の全国高校駅伝を合宿中の選手たちはテレビで見て、闘志を燃やしていたという。「敵は青森山田ではなく自分自身。1人1人が全力を出し切った」と長根。昨年まで13年連続2位、青森山田の背中を見てきた。「13年敗れた先輩たちの悔しい思いがある。自分たちの代で歴史をつくろうと思っていた。全国大会でも全力を尽くす」と長根は力を込めた。【北村宏平】