仙台育英が11年以来4年ぶりに男女アベック優勝を果たした。男子は、1区奈良凌介(3年)ら7人全員が区間賞を取り、2時間7分26秒で4年ぶり24度目の頂点に立った。女子は1時間10分8秒の好記録で、24年連続24度目の優勝を飾った。優勝校は全国大会(12月20日、京都)に出場する。

 仙台育英男子エースの1区奈良は、コースの半分5キロ地点からもう1人で走っていた。「後ろは見なくていいと(監督に)言われていました」。2位東北に42秒の差をつけ、完全Vをけん引した。

 だが、個人、チームともに目標タイムに届かず「まだ全国では戦えない」と表情は浮かなかった。昨年は予選で東北に敗れ2位。東北大会で全国切符を取り、都大路では1、2年生だけで11位に食い込んだ。メンバーが残る今年の目標は「優勝。最低でも3位」だ。

 奈良が陸上を始めたのは高1から。小、中は野球に打ち込んだ。だからこそ今夏の野球部の甲子園準優勝は心に響いた。その時期は駅伝部の合宿真っ最中。真名子圭監督(37)は引導車でラジオを聞きながら「いま野球部が1点入れたぞ。お前らも頑張れ」と後ろを走る選手にハッパをかけたという。奈良は「冬も仙台育英が騒がれるように。全国に名をとどろかせたい」と“育英フィーバー”の再現を誓った。

【高場泉穂】