男子は中越が2時間11分26秒で2年ぶり12回目の優勝を決めた。4区・小野塚玄(2年)がトップ開志国際から18秒遅れの2位でたすきを受けると、区間賞の走り。逆に2位以下に1分21秒差をつけて独走態勢のお膳立てをした。12回の優勝は柏崎工と並んで最多タイ。女子は新潟明訓がV7を決めた。優勝校が出場する全国大会は12月20日(京都)に開かれる。

 中越の優勝へのレールを敷いたのは、4区・小野塚だった。先頭と18秒差でたすきを受けると、圧巻の走り。2位を1分21秒差に置き去りにして中継地点に戻ってきた。

 時折、たたきつける激しい雨。強い向かい風にも抵抗しながら、ラストの直線では笑顔を見せた。「楽しく走れた」と1人旅を振り返る。以後は中越の独り舞台。アンカー佐藤がゴールテープを切ると、2位十日町とは2分37秒差がついていた。

 「選手がよく、育ってくれた。指導者としても、しっかり育成ができた」。渡辺裕人監督(32)は話した。4月には陸上部の合宿所が完成。2カ月間、選手と寝食を共にした同監督は6月、合宿所の隣に自宅を新築した。栄養士を置いて、バランスのいい食事にも心掛けた。

 貧血に悩む選手はなくなり、午前5時50分集合の早朝練習も無理なくできるようになった。8~10キロ走ってから午前7時半から食事。規則正しい栄養補給に加え、選手間の絆も深まった。栄養管理、体調管理で優勝への下地はできていた。

 もちろん、ハードな練習もしてきた。夏場の8月4日には7泊8日の菅平(長野)合宿。大牟田(福岡)、佐久長聖(長野)、秋田工など、全国の強豪との合同合宿で刺激を受けながら体をいじめた。4区小野塚は「練習で苦しいときは(県高校駅伝で)勝つ気があるのか」と自分自身に問い掛けながら走った。

 そんな努力で勝ち取った2年ぶりの都大路。渡辺監督は「低迷する県高校駅伝を向上させる、という自負を持って臨みたい」と言った。【涌井幹雄】