常葉学園菊川(静岡)が「壁」に挑む。全国高校駅伝が20日、京都・西京極総合運動公園陸上競技場発着コースで開催。午前10時20分スタートの女子(5区間、21・0975キロ)は、常葉学園菊川が2年ぶり5度目の出場。松井里帆菜主将(3年)を中心に3度続いている18位の壁を突破し、同校史上最高位を目指す。

 都大路のためにトレーニングウエアを新調した。まばゆいばかりのピンクだ。気持ちの上がるウエアを着込み、松井は言った。「チームもまとまってきました。過去最高の18位より上を目指したいです」。

 最近出場した10、12、13年と3度連続で18位。今年の全国は、京都開催となって50年目の記念大会で出場枠は59チームに増えたが、目標はあくまで「18位の壁」を突破することだ。

 軸になるのは、ムードメーカーの松井だ。八木本雅之監督(54)に「天真らんまんのお祭り娘。チームをよくまとめてくれています」と言わしめ、走りの面でも「タフで故障知らず。安定している」と信頼されている。

 松井は2年前の全国も知る。当時、2区の久保彩乃主将(現ユニクロ)のサポートを担当し、21人抜きの快走を目の当たりにした。「20人は無理でも、自分の走りができれば」。

 各校のエースが集う最長6キロの1区は石野優季(3年)が有力。県予選でともに区間賞を獲得した鈴木颯夏(はやか)、加藤詩帆加への期待も大きい。最終5区での起用が濃厚な松井は、今月5日の市町対抗駅伝では区間2位で浜松市北部の初優勝に貢献と上り調子だ。飛躍への準備は整っている。【鈴木正章】