バレーボール女子日本代表を率いる中田久美監督(52)は言いました。

 「レセプションアタックは土台、最低限の武器として強化していきます。サーブレシーブがセッターに入らなかったとき、セッターが前衛に出てきたときの攻撃について、バックアタックも含めて精度を高めていきたい」

記者会見で笑顔を見せる中田久美監督(2018年4月17日撮影)
記者会見で笑顔を見せる中田久美監督(2018年4月17日撮影)

 4月17日、都内の味の素ナショナルトレーニングセンターで開かれた代表始動会見でのことでした。このコメントの中で「ウ、ムムムッ」と思ったところはありませんか? レセプション? 何でバレーボールに「歓迎会や受付」が関係あるのだろうと…。

 僕はテレビで「ミュンヘンへの道」「サインはV」「アタックNo・1」を見て育った世代。♪レシーブ、トス、スパイク…ワンツー、ワンツー、アタック~♪の世代です。だから、昨年秋から初めてバレーボールを担当するようになって、目が点になることが何度かありました。

 試合後の会見で監督、選手が口にする「レセプション」「ディグ」「トランジション」という言葉や、「ウイングスパイカー」「ミドルブロッカー」「オポジット」という選手のポジション(役割)の表現に少なからずショックを受けました。僕の知っているバレーボールとは違うじゃないか、と。

 ちなみにレセプションはサーブレシーブ、ディグはアタックレシーブ、トランジションはラリー中にボールを扱うチームが切り替わる場面。そして、ウイングスパイカーは以前のレフトとライト、ミドルブロッカーは同センター、オポジットはセッターの対角に位置する攻撃専門のエースアタッカーのこと。1999年にラリーポイント制が導入されて以降、バレーボールという競技は大きく変わり、戦術も進化してきたようです。不明を恥じつつ、この数カ月、それなりに知識を補充してきました。

選手に声をかける中田久美監督(後方)(2017年9月5日撮影)
選手に声をかける中田久美監督(後方)(2017年9月5日撮影)

 中田監督の言う「レセプションアタック」とは、サーブレシーブからの攻撃のこと。ラリー中の攻撃、例えば相手アタックをレシーブして攻撃に転じることは「トランジションアタック」。バレーボールにはサーブ、レセプション、セット(トス)、アタック(スパイク)、ブロック、ディグという、大きく分けて6つのプレーがあり、局面によって重要なプレーは違ってくる…。

 これ以上書き続けるとボロが出てしまうので終わりにします。今年の秋には4年に1度の世界選手権が行われます。特に女子は日本開催。20年東京五輪へ、中田ジャパンの戦いぶりはとても注目されるでしょう。おっさんバレーボール担当も、競技を見る目の精度を高めていかなければ、と思っております。【小堀泰男】