<全国高校総体:陸上>◇1日◇山梨中銀スタジアム

 男子5000メートル競歩で、韮山の青山福泉(3年)が21分21秒99で4位に入賞した。昨夏から同種目に転向したばかりだが、初めて臨んだ全国大会で自己ベストを19秒も更新する好成績を挙げた。

 気温36度の猛暑の中で、青山の頭はクールだった。レース序盤から中位につけると、2500メートル付近で5位に浮上。「無理せず粘り強くいこう」と、残り800メートルまで先頭集団に食らいついた。ペースを乱して集団から遅れる選手を横目に上位をキープ。しかし最後のスパートについていけなかった。それでも東海総体で記録した自己ベストを大きく更新し、初の全国総体で4位入賞を果たした。

 「最後まで自分のペースを守ることができた。大きい舞台で入賞できてうれしいの一言です」。青山は達成感を口にした。昨夏、好成績を残せずにいた800メートルに見切りをつけ、同種目に転向。詳しいルールも知らずに競技を始め、昨年の全国総体のレースを動画で繰り返しチェック。トップ選手のフォームやレース展開を研究し「見ているだけで面白かった」と、のめり込んでいった。

 競技歴わずか1年で全国4位。納得のレースだったが、あと1歩でメダルを逃した悔しさも少なからずある。高校卒業後も競技を続けるという青山は「大学でさらに頑張りたい」と意欲満々。潜在能力を秘める発展途上のアスリートは次なるステージで高みを目指すつもりだ。【神谷亮磨】