<全国高校総体:体操>◇4日◇東京・代々木第1体育館

 決勝種目が行われ、床運動の世界王者、白井健三(17=神奈川・岸根高3年)は、優勝を目標にした個人総合で自己ベストの89・900点をマークしたが、2位だった。谷川航(千葉・市船橋3年)が初優勝した。

 オールラウンダーへの夢はあきらめない。6種目の個人総合で初の優勝を狙った白井だが、2位に終わった。しかし、自己ベストの点数と演技内容に「今持てる力は全部出せた。満足している。今日は航(谷川)が強すぎた」と、オールラウンダーへの自信を深めた。

 得意の床運動と跳馬は、種目別で優勝した。特に床運動は、昨年の世界選手権で優勝した点を0・700点も上回る16・700点の驚異的な自己ベスト。「がんがん(着地を)止めにいって決まった」。しかし、それでも6種目合計では谷川に、0・850点引き離された。

 世界の体操は、各種目のスペシャリストを育てる種目別重視。その点では、白井も床運動と跳馬の専門家として生きる道はある。しかし、16年リオ五輪は「個人総合で代表になりたい」。日本の伝統で「6種目をやってこそ体操」と言われる個人総合にこだわる。

 あん馬、つり輪のパワー系が大の苦手だ。この日も、両種目が14点台前半と、足を引っ張った。リオ五輪まで残り2年。「2年はまだあると思う。1年1年、大事にしていきたい」。2年でスペシャリストからオールラウンダーへの変身を果たす。【吉松忠弘】