<全国高校総体:柔道>◇4日◇千葉・成田市中台運動公園体育館

 男子100キロ超級で香川大吾(17=広島・崇徳)が優勝した。4月の全日本選手権に史上最年少で出場したホープは田中源大(山口・高川学園)との決勝を47秒で一本勝ち。相手が大外刈りにきたところに払い腰で合わせ「最高です」と満面の笑みを浮かべた。

 最年少勝利(17歳2カ月)も挙げた全日本選手権後は注目度が上がり「浮かれていた」という。練習でも一発で技を狙うなど、慢心があった。大会前に加美監督から「プライドを全部捨てろ!」とゲキを飛ばされ、気持ちを入れ替えた。同階級は小川直也氏の長男雄勢が注目されたが「負けない自信はあった」と奮起もしていた。

 川で鍛えられた。実家近くの山あいの川が幼少期の遊び場。父交範さん(54)と流れが急な場所で魚取りをしてバランスを培ったり、釣りざおを垂らして「手首を強くした」。釣りだから…ではないが、超級では低い180センチの身長のハンディを釣り手で補っている。

 野球も得意という「柔道界のドカベン」は来春からは東海大に進学する。生まれた時に3730グラムと大きかったことで「大吾」と名付けられた17歳。畳の上での存在感も大きくしていきそうだ。【阿部健吾】