<全国高校総体:バスケット>◇女子決勝◇7日◇千葉・八千代市

 桜花学園(愛知)が、3年連続20度目の優勝を果たした。昨年の決勝と同じカードは終盤、激しい競り合いになったが、昭和学院(千葉)を69-61の僅差で振り切り、頂点に立った。国体、選抜優勝大会(ウインターカップ)との3冠へ、第1関門を突破した。

 昭和学院の地元(千葉)開催。桜花学園にとってはまさに完全アウェー状態だった。「声援がすごくてやばかった」とスタンドを見回した加藤優希(3年)は、「桜花の応援だと思えばいい」と緊張している選手にアドバイスを送った。

 試合開始から徐々にペースをつかみ、前半を10点リードで終えた。しかし、昨年のリベンジに燃える昭和学院の猛攻に遭う。第3クオーター5分すぎに逆転され、50-50と同点で第4クオーターを迎えた。

 だが、メンバーに焦りはなかったという。落ち着いてボールを回し、フリーの選手へ。加藤が3連続得点を決めてリードを奪うと勢いに乗った桜花学園は、そのまま試合を押し切った。

 この日、24得点を挙げた加藤は胸を張る。「毎日、練習で(井上真一)先生に自分には自覚と責任がない。自分がやってやるという気持ちが見えないと言われていたけれど、その意味がよく分かっていなかった。でも、言われ続けたおかげで、自分がやらなければと思うようになった」。

 日々の厳しい練習で芽生えたエースの自覚。インターハイ優勝も「まず1冠」と満足はしていない。昨年はインターハイ、国体、選抜優勝大会と3冠を飾った。しかし、「(3冠達成は)先輩たち。私たちが勝ち取ったわけではない。3冠に向けてスタートしたばかりです」と意欲を見せた。エースはチームメートとともに、新たな歴史を刻んでいく。