フィギュアスケート男子の高橋大輔(32=関大KFSC)が14日、大阪・高石市内の通年型リンク「臨海スポーツセンター改修工事完成記念式典」に出席した。

同センターはいったん閉鎖される予定だったが、高橋らの募金によって存続となった全国でも非常に珍しいリンク。高橋はイベント後の会見で「大学(関大)に入りたてのころに、高槻(市内)のリンクがなくなって、困っているところをここですべらせてもらった。(リニューアル工事が)完成したんだ、とうれしい気持ちがあります」と口にした。

同センターは08年に耐震工事の必要性が指摘されて、14年までに閉鎖される予定だった。工事費3億円の半分にあたる1億5000万円を募金できれば、大阪府が残り1億5000万円を拠出するという流れになった。

高橋は、当時を振り返って「正直、1億5000万円を集められるとは思ってなくて。でもやってダメなら受け入れられる、やらずに終わりたくないと思った」という。関大時代に練習を行ったリンクということも背中を後押しした。「臨海(スポーツセンター)では実際にお世話になっていて。もし違う地域でスケートをやっていたら、偽善者っぽくなるかなと思ったけど、臨海は実際に使わせてもらっていたところ。少しでも協力できれば、自分の名前を使えるなら使ってほしいと思っていました」と口にした。

存続運動は、全国から約13万2000人分の署名、寄付金は2万人以上から1億5200万円にのぼった。そして同センターの存続が決定した。

高橋は「結果的に1億5000万円集まると思っていなかったが、それがかなった。日本はスケートリンクが多いとはいえない。1度なくなると、新たに作るのは難しい。その危機から戻せてうれしい。もしそういうリンクが全国のどこかにあれば、希望を捨てずに頑張って欲しい。(募金で存続という)1つの形を残せたと思う。いろんなところにリンクができてほしいです」と願っていた。