女子ショートプログラム(SP)で世界最高点を更新した紀平梨花(16=関大KFSC)が13日、今季最後のフリーに臨む。12日は本番会場で公式練習に参加し、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を8本着氷させた。シニア1年目の快進撃を支えたフリー曲「ビューティフル・ストーム」もラスト。ザギトワ(ロシア)が持つフリー、合計での世界最高点更新も視野に入る。平成最後に3回転半2本を成功させ、令和の新時代へバトンをつなぐ。

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昨年9月から積み重ねた今季の実戦は、博多の地で10戦目。16歳の紀平が駆け抜けたシニア1年目も、まもなくクライマックスだ。40分間の公式練習。曲をかけての通しでは1本目の3回転半が1回転半に抜け、2本目は転倒した。それでも以降は他のジャンプを挟みながら、6連続成功も。

浜田美栄コーチは「疲れもあるけれど、最後の力を振り絞って頑張ってほしい」と温かいまなざしを向けた。

こだわりの3回転半は、フリーで2本投入を予定する。前日11日のSP後に紀平は「(靴の調整具合を)覚えておいて、フリーは2本挑戦したい」と言い切った。一夜明け、浜田コーチはその意向は不変かと問われ「はい」と断言。フリーは今季の国際大会7戦中6戦で1位をつかんできた。集大成が披露できれば、世界最高点の総塗り替えも視野に入る。フリー158・50点、合計238・43点を誇るザギトワを超える高得点も、十分に射程圏内だ。

快進撃を支えた「ビューティフル・ストーム」もこれがラスト演技。フィギュア界でなじみの薄い曲だったが、シーズン前に振付師のトム・ディクソン氏に提案され、紀平を代表するプログラムになった。米国人のジェニファー・トーマス(41)は強い嵐と、ソフトで美しい夜空をイメージして07年に作曲。その生みの親をも「彼女が私の曲に合わせて滑る時は、毎回欠かさず誇りに思い、胸がときめく。リカは本当の『ビューティフル・ストーム』なのよ」と引きつけてきた。

22年北京五輪金メダルを掲げる紀平にとって、5月からの新時代「令和」は、さらに飛躍を期す時代。浜田コーチは「まだまだこれからの子。挑戦できる試合なので、やれるだけやってみたらいい」。平成最後のフリーで確かな足跡を残し、次の時代、新ステージへと進む。【松本航】