04年アテネ五輪(オリンピック)陸上男子ハンマー投げ金メダリスト、スポーツ庁の室伏広治長官(46)が難病の悪性脳リンパ腫と闘っている、と7日のデイリー新潮が報じた件に関して、室伏長官が同日、都内で取材に応じた。

事実関係について「個人情報ということで、話さないようにしています」と明言は避けたが「影響ないという風にさせていただいてますから」と否定せず「応援よろしくお願いします」と語った。

治療のため4月半ばに、再び入院する予定との報道には「ちょっとまだ」としつつ「業務のところは、ちゃんとやるということでご理解いただいて。そういう言い方をさせてもらっています」と説明した。

体調については「大丈夫です。石も、俵も持ち上げていますので」と力強く答えた。

スポーツ庁は同日、長官名で書面でも回答した。

「本日の一部報道について」

「本件についての詳細については個人に関する情報であるため、回答を差し控えさせていただきます」

「なお、これまでも公務に支障を来さないよう努めており、今後も東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、関係者と一丸となって全力で努めてまいります」

「令和3年4月7日 スポーツ庁長官 室伏広治」

【木下淳】

◆室伏広治(むろふし・こうじ)1974年(昭49)10月8日、静岡県生まれ。千葉・成田高-中京大-中京大大学院。男子ハンマー投げの日本記録(84メートル86)保持者で、00年シドニー五輪から4大会連続出場。04年アテネで金、12年ロンドンは銅。世界選手権では、01年エドモントン(カナダ)大会で銀、03年パリ大会は銅、11年大邱(韓国)大会で金に輝いた。16年6月の日本選手権を最後に現役引退。東京五輪・パラリンピック組織委員会では理事とスポーツディレクターを担い、日本オリンピック委員会や日本陸連の理事、東京医科歯科大の教授も務めた。20年10月からスポーツ庁の2代目長官に就任。187センチ。