全日本選手権に3度出場の長谷川一輝(21=東京理科大)が131・79点をマークし、8位入賞を果たした。7本のジャンプを確実にそろえた。

白色の衣装でリンクイン。静かに滑り始めると、1本目のルッツ-トーループの連続3回転ジャンプを成功させた。その後も4種類の3回転ジャンプを着氷させるなど、ミスのない演技を披露。フィニッシュの瞬間は、控えめに拳を握り、充実感を漂わせた。

昨年12月の全日本選手権は総合22位。「ミスが目立ってしまった」と反省し、年越し期間は失敗した点の修正に重きを置きながら、休むことなく練習を継続した。その成果が演技に反映され、「うまく調整して試合に臨むことができた」と静かにうなずいた。

長谷川は北海道出身。この日は家族や姉、友人などが会場に訪れていた。「地元で滑れるのは楽しいこと。上京する前にお世話になった方々にも見てもらうことができて、面白い試合でした」。ほほえみながら、凱旋(がいせん)試合をかみしめた。

4月からは大学4年生になる。今年の第一目標には、トリプルアクセル(3回転半)の成功を据えている。「どんどん上がってきている選手もいるので、自分も負けず劣らず、トリプルアクセルを構成に組み込めるように頑張りたい」。そう言い切った瞳に、確かな覚悟が宿っていた。【藤塚大輔】