ショートプログラム(SP)10位で迎えたフリーで、松生理乃(18=中京大)の笑顔がリンクに映えた。

今大会は昨季のフリー曲「Nella Fantasia」を舞った。「自分らしい演技ができたらいいな」。広がりのある曲の響きに合わせ、低く沈みながら、両手をゆったりと動かして滑る。

冒頭の3回転ループを決めると、2本目のルッツ-トーループの連続3回転ジャンプにも成功。全7本のジャンプを着氷させた。

曲の世界観の中に、技を組み込ませた演技が続いた。フィニッシュ前から会場に拍手が響く。その歓声は30秒以上も止まなかった。

フリー3位となる127・50点をマークし、合計187・01点。順位を総合5位へと押し上げた。

「100%ではないですが、何とか点数もいただけて、自分らしい演技ができたことは自信になりました」

かみしめるような笑みをたたえた。

北京オリンピック(五輪)の翌季となった22-23年シーズン。10月下旬のグランプリ(GP)シリーズ・スケートアメリカは胃腸炎による発熱でフリーの棄権を余儀なくされた。何とか出場した11月上旬の同シリーズ・フランス杯は7位だった。

なかなかジャンプの感覚が戻らない。「気持ちをどこに置いたらいいのか」と葛藤を抱えていた。

ただ、そんな時もファンからの応援は続いた。「頑張ったね」。近くで支えてくれている人の温かい声も、心をほぐしてくれた。

復活の途上を歩む今、現時点でフリーの演目は未定だが、約7分の取材では「自分らしい演技を」と繰り返した。

「今回の試合はあまり点数のことは考えていなくて、自分らしい演技ができたらいいなと思っていました。今シーズンはどの試合も笑顔で楽しくやりきれるシーズンになればいいと思っています」

自分らしさを見つめ、追い求めていくシーズン。どんな時も明るく進んでいく。