ラグビー日本代表として歴代最多79キャップを誇るトップリーグ(TL)神戸製鋼のCTB元木由記雄(38)が今季限りで現役を引退することが4日、分かった。5日に神戸市内で行われる記者会見で正式に発表する。豪快な縦への突破力、激しいタックルが持ち味で、明大時代の19歳で日本代表入り。91年大会から4大会連続でW杯代表に選出された。神戸製鋼の日本選手権7連覇にも貢献。今季はプレーイングコーチを務めた。

 元木がついに現役引退を決めた。先ごろ、親しい関係者には自ら電話を入れて報告。神戸製鋼の前監督で、同期入団だった増保輝則氏は「『もう少しやりたい気持ちはあるが、チームのことも含めていろいろ考えると引退したほうがいい』と言っていた。寂しいけど、本当にお疲れさまと言いたい」とねぎらった。

 元木は学生時代からラグビー界のエリート街道を歩んだ。19歳で初選出されたジャパンでは、96年に主将を務めた。大阪・英田(あかだ)中1年で競技を始めた当初はFWだった。2年の時に当時の監督から「日本代表になりたかったらCTBをやれ」と言われ転向。才能が開花した。

 94年に前年まで日本選手権6連覇していた神戸製鋼入り。同期の吉田明(現京産大監督)とCTBコンビを組み1年目からレギュラーに定着した。同年度、新日鉄釜石と並ぶ7年連続日本一に貢献。TL元年の03年度はチームを初代王者に導き、MVPにも輝いた。

 近年はけがに泣いた。07年12月に右アキレスけんを断裂。出場機会が減少し、プレーイングコーチ1年目の今季はリーグ戦6試合出場(先発2試合)にとどまった。元木の引退により、神戸製鋼V7時の現役選手は伊藤剛臣だけになった。

 関係者によると、元木は他チームからコーチ就任のオファーが届いたが、断ったという。過去に顔面6カ所を骨折するなど体を張ってチームを支えてきた「鉄人」が、ピッチを去る。