全国都道府県対抗男子駅伝(平和記念公園前発着)を翌日に控えた21日、広島市内でオーダー発表と開会式が行われた。初の3兄弟による、たすきリレーが実現することになった。山口代表で、3連覇を達成した箱根駅伝の青学大の7区を走った田村和希(21)が長男の田村3兄弟だ。

 1区は次男友佑(18=岩国工高)で、高3時の中国大会で5000メートル10位。「3兄弟で走りますし、個人としては初の全国大会なので、いい経験にして、次につなげたいです」と意気込んだ。

 2区は三男友伸(15=玖珂中)。中学に陸上部がなかったため、サッカー部だったが、選考会で上位に入りメンバーとなった。「しっかり楽しんで、1つでも順位を上げられるようにしたいです」と話した。

 2人の弟がつないだタスキを3区で受ける和希は「こういう兄弟でタスキをつなげるのは最初で最後かもしれない。田村家の目標だったので、達成できてうれしいです」と語った。

 和希といえば、箱根駅伝で、大会前にこじらせた風邪の影響もあり、大失速。区間11位ではあったものの、青学大が独走態勢の中、棄権するのではないかと思わせるほど、後半は力なく周囲に冷や汗をかかせた。「どうしたんだ。たすきだけつないでくれ」(友佑)と、テレビの前で見ていた2人の弟にも心配をかけた。今回は長男の威厳も取り戻したいところで「弟2人が走るのを見て、兄としていい走りができたら」と気合十分だった。

 田村3兄弟が並ぶオーダーについて、同県の尾崎健吾監督(58)は「こんな機会はない。3人を並べられたらいいなと思っていた」と説明し、「長男の和希が脚光を浴びていますし、協力していい流れを作って欲しい」と期待を寄せた。