<陸上:第48回織田幹雄記念国際陸上競技大会>◇29日◇広島市・エディオンスタジアム広島◇男子やり投げほか

 男子やり投げで新井涼平(22=スズキ浜松AC)が、今季世界最高となる85メートル48のビッグスローで優勝した。

 雲の上の存在だった世界選手権メダリスト村上幸史(34=同)を差し置いて、新井が表彰台のてっぺんに立った。国士舘大2年時の78メートル21が自己ベストだった社会人1年生が、一気に大台の80メートルラインを越え、7メートル27も自己ベストを更新。同学年のディーン元気も果たしていない日本人3人目の「85メートルスロワー」の仲間入り。6投中、5回の80メートル超えに「やっと2人に近づけました。(やりが)風にうまく乗ってくれた。運も良かった」と喜んだ。

 今春、その村上と同じスズキ浜松AC入り。ただ練習場が違うため入社後、初めての再会がこの日だったという。「ずっと目標だった」と村上を評し、ディーンを「自分より技術をもっと考えている。少しは戦えるかな」と一目置く。アジア大会の派遣設定記録Aも破り、あとはセイコー・ゴールデンGPや日本選手権で再度、フロックではなかったことを証明したいところ。生きの良いホープがまた1人、誕生した。