連覇を狙ったジャンプ混合団体で高梨沙羅(18=クラレ)葛西紀明(42=土屋ホーム)伊藤有希(20=土屋ホーム)竹内択(27=北野建設)で挑んだ日本は、888・3点で銅メダルだった。葛西はこれで五輪、世界選手権を合わせて10個目のメダルで原田雅彦(現雪印メグミルク・スキー部監督)を抜き、スキー競技の日本単独最多メダル。新たな伝説を書き加えた。

 レジェンドが自分を責めた。原田を抜き日本単独最多10個目となる銅メダルをつかんだ。伝説がまた1つ加わったが、ほとんど笑顔はない。優勝したドイツとは、29・6点で距離にして約15メートルの大差負け。葛西は「チャンスある」と話していた自身初の金メダルには遠く及ばず、表情はさえない。「沙羅ちゃん、有希、択が金メダルを取りたいと思っていたのに、それに貢献できなくてすごく悔しい」と後輩たちにわびた。

 1回目の1番手だった高梨が96・5メートルの大ジャンプで2位につけたが、2番手の葛西は90メートルで3位、続く伊藤も88・5メートルと飛距離を伸ばせなかった。竹内が95メートルを飛んでも3位のまま。逆転を狙った2回目も葛西が、88・5メートルにとどまるなど得点を伸ばせない。「ジャンプがしっくりこない。どうも最近ノーマルヒルは良くない。嫌いになりそう」と珍しく弱音を吐いた。

 前日の個人ノーマルヒルで35位に終わり2回目に進めなかった。それを引きずり、この日もイメージが作れない。普段は飛ばない試技を飛ぼうとすると、強風でキャンセル。2回目は直前の選手が転倒し、約5分待たされるなど、すべてが裏目。狂った歯車は元には戻らなかった。「昨日の一撃がきいている。こんな失敗していてはダメ」と話した。

 26日の個人ラージヒルで仕切り直しの一戦を迎える。「今度はこっちが一撃を食らわす番。ラージヒルは得意なんで。良かった昨季のジャンプをもっとイメージして次につなげたい」。残りは2戦(個人、団体)。このまま引き下がるわけがない。【松末守司】