<ラグビー・関東大学ラグビー・対抗戦:明大24-22早大>◇7日◇東京・国立競技場
明大が宿敵早大から9年ぶりの白星を挙げた。伝統の「前へ」が復活。FW戦で優位に立ち、24-22で下した。3勝4敗の6位と24年ぶりに大学選手権出場を逃したが、今季最終戦で意地を見せた。早大は後半3トライを奪って追い上げたが、あと1歩及ばず、5勝2敗の2位で対抗戦を終えた。両校の対戦成績は明大の35勝2分け47敗となった。
後半もロスタイムに入った43分。早大の同点ゴールキックが右ポストに当たって失敗した瞬間、ノーサイドの笛が鳴った。拳をつくって突き上げ、抱き合っては涙、涙…。明大フィフティーンは歓喜を爆発させた。就任3年目の藤田監督は声を震わせた。「最後の最後に今季取り組んできた縦横無尽のラグビーをやってくれた。明治の前へ、実践した全部員の勝利です」。
7-5とリードして迎えた前半30分だった。明大ゴール前で反則を得た早大はPGを狙わず、スクラムを選択した。この時、プロップ松浦は「こいや!」と声を上げ、挑発した。自信があった。友人の帝京大フッカー天野から、早大スクラムの特徴を教えられていた。「相手の左プロップはもぐりこんでくるので、内に入らせるな」。このスクラムに押し勝ちターンオーバーした時、藤田監督は「いける」と勝利を確信した。
気迫を前面に押し出し、前へ、前へ出た。タックルも決まった。後半49秒にラックから主将のロック杉本晃が縦突破し、トライ。8分にはCTB衛藤のタックルされながらのパスを受けたFB松本がインゴールに飛び込んだ。杉本晃は「相手ハーフ団にプレッシャーをかけ、ブレークダウンではからんで球出しを遅くさせる。練習通りのことができた」と胸を張った。
明大は今季「縦横無尽」をテーマに掲げた。前へを踏襲しながら、どこからでもトライの取れるラグビーを目指した。しかし、不発。理想と現実とのギャップにもがき苦しんだ。帝京大に敗れて4敗目を喫した時、藤田監督は選手に自分の思いをすべて伝えた。その中には精神面の高揚を示す言葉もあった。「ラグビーできることに感謝しよう。いろんな人の支えがあるから、こうやってラグビーができるんだ。記憶に残る早明戦にしよう」。
名門の意地、4年生の意地。3トライはすべて4年生が挙げた。一筋の光は差したが、今季の試合はもうない。明大ラグビーの継承を下級生に託して、シーズンを終えた。【三角和男】


