日本大学医学部泌尿器科学系主任教授・高橋悟氏(59)が、「女性の頻尿・尿失禁」についてお話しします。日本女性の約2500万人もが、オシッコで困った経験を持っているというデータがあります。そのうち成人女性の400万~500万人が尿失禁を経験、また頻尿に悩んでいる人も少なくありません。それでいて受診をためらう女性が多いことに、同氏は「我慢しないで相談して!」と診察を勧めています。


連載一覧

(1)女性の失禁「我慢せず相談を」

(2)早め癖で膀胱のためる力弱まる

(3)頻尿の主な原因「過活動膀胱」

(4)蓄尿能力下がる間質性膀胱炎

(5)体操で改善できる「骨盤臓器脱」

(6)むくみと「夜間頻尿」の関係

(7)「睡眠障害」を頻尿と勘違い

(8)「腹圧性」体操や手術で完治も

(9)排尿制御が難しい切迫性尿失禁

(10)「蓄尿」と「排尿」メカニズム

(11)女性は男性よりもれやすい構造

(12)肥満も引き金「腹圧性尿失禁」

(13)「切迫性尿失禁」は突然起こる

(14)排尿時に痛みや血尿など受診を

(15)尿失禁外来あるなら婦人科も可

(16)「尿検査」でおおよそわかる

(17)咳でチェック「腹圧性尿失禁」

(18)腹圧性の検査「パッドテスト」

(19)尿道に鎖入れ症状チェック

(20)裏に深刻な病気があることも

(21)膀胱、尿道括約筋などの検査法

(22)骨盤底引き締める体操で改善も

(23)「骨盤底筋体操」4種トライを

(24)腹圧性尿失禁の「薬物療法」

(25)腹圧性では「手術療法」が有効

(26)安全改良されたTOT手術とは

(27)まず1日数回5分まで我慢

(28)基本の治療法は「薬物療法」

(29)30秒以上なら排尿障害の疑い

(30)規則正しい排尿習慣をつける

(31)TVT手術で87%改善報告も

(32)適度な運動で骨盤底の緩み改善


◆高橋悟(たかはし・さとる)1961年(昭36)1月26日生まれ。日本大学医学部泌尿器科学系主任教授。85年群馬大学医学部卒。虎の門病院、都立駒込病院などを経て05年(平17)から現職。東大医学部泌尿器科助教授時代の03年、天皇(現上皇)陛下の前立腺がん手術を担当する医療チームの一員となる。趣味は釣り(千葉・飯岡沖の70センチ、3キロ超のヒラメが釣果自慢)と登山、仏像鑑賞。主な著書に「ウルトラ図解 前立腺の病気」(法研)「よくわかる前立腺の病気」(岩波アクティブ新書)「あきらめないで! 尿失禁はこうして治す」(こう書房)など。