フィギュアスケート女子でグランプリシリーズ第6戦フランス杯(グルノーブル)を制した紀平梨花(16=関大KFSC)が27日、関西空港に帰国した。

シニア1年目でGP2連勝を果たし、出迎えた報道陣は約40人。「すごくたくさんの記者さんがいて、今まで以上でビックリして、うれしい気持ちもあるけれど、それを抑えて次の試合に向かっている感じです」と笑顔を見せた。

今季の国際スケート連盟公認大会では、シニアデビュー戦のオンドレイ・ネペラ杯、GP第4戦NHK杯(広島)、今大会と負けなし。シリーズ2戦上位6人が進むGPファイナル(12月6日開幕、カナダ・バンクーバー)では、平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)金メダリストのザギトワ(ロシア)との競演も実現する。

ジュニア時代にはザギトワと2度、同じ大会に出たことがある。1度目は16年9月のジュニアGPシリーズ第5戦スロベニア大会。紀平が初めて国際スケート連盟公認大会でトリプルアクセル(3回転半)を成功させ、女子世界7人目の3回転半ジャンパーとなった一戦だ。この大会を紀平は194・24点で制し、ザギトワが177・38点で3位となった。

2度目は同年12月のジュニアGPファイナル(フランス・マルセイユ)。紀平はフリーで挑んだ3回転半で転倒し、175・16点で4位となった。一方のザギトワは207・43点で優勝し、17年3月に行われた世界ジュニア選手権(台北)も制して2冠。ザギトワは昨季からシニアに転向したため、直接対決は次戦のGPファイナルが2年ぶり3度目となる。

今季はザギトワが世界最高スコアの238・43点(ネーベルホルン杯)を記録し、紀平は2位の224・31点(GP第4戦NHK杯)で続く。今の立ち位置については、冷静に分析した。

「思ったよりすぐ(ザギトワと戦うことが)現実になって、その時(9月)には全然想像できてなかった。点数だけを見れば、全然勝ってもいないし、全然たどり着いていない。同じぐらいの点数になるまで、まだ時間はかかるかもしれませんが、ちょっとずつそういう高得点を目指していきたい。ミスがなかったらまだ(勝負は)どうか分からない。相手の調子にもよるので、自分がノーミスすることができれば、結果として満足いくと思います。今シーズンはとにかく、安定して高得点を出したい」

急激に注目度が高まっている中で、冷静に自分の力を分析できる16歳。大舞台で精いっぱいの演技を披露する。