勝負曲は「もののけ姫」だ。フィギュアスケート男子でシニア1年目の鍵山優真(17=神奈川・星槎国際高横浜)が21日、大阪・関空アイスアリーナで行われた全日本強化合宿の公開練習に参加した。ジュニアだった2月の4大陸選手権で3位に入った有望株は「何事も恐れず、どんどん挑戦していきたい」と笑った。

名曲に包まれ、160センチの体を心地よさそうに動かした。今季のフリーは「もののけ姫」。ショートプログラム(SP)「テイク・ファイブ」と共に、長年担当する佐藤操さんの振り付けで一新した。もののけ姫を選んだ訳は「久石譲さんが好きで使いたかった。表情を使い分けていきたい」。曲をかけての通しでは、2本の4回転サルコーを着氷させた。転倒したトーループを含め、4回転2種3本が演目を引き立たせる。

新型コロナウイルスの影響で今春は約1カ月半、氷に乗れなかった。自粛期間中は腹筋や下半身強化に励み「モチベーションが下がることはあまりなかった。調子も戻ってきた」。この日は慣れないリモートで取材が行われ、世間には22年北京オリンピック(五輪)の開催を不安視する声もある。それでもシニアの新顔は頼もしく言う。

「五輪はどこかでは必ずあると思う。技術など全てを磨き上げていって、五輪に出られるようにしたい」

新風を送り込む、準備はできている。【松本航】