優勝候補の東福岡が、8大会連続となるベスト4入りを決めた。ブレークダウンや接点でFW陣が奮闘。6点差を守り切り、前回大会の準決勝で惜敗した京都成章にリベンジを遂げた。

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5日の準決勝は、東海大大阪仰星(大阪第2)とのAシード対決に決まった。Bシードの長崎北陽台、佐賀工業はベスト8敗退となった。

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東福岡が粘り勝った。素早い展開で猛攻を仕掛ける京都成章に、低く、重いタックルで対抗。攻守ともにブレークダウン、接点で優位に立った。得点も4トライ中3トライはフォワードで奪った。司令塔のSO楢本幹志朗(3年)は「今日はフォワードに頭が上がらない」と、脱帽。6点差を守りきり、8大会連続のベスト4進出を決めた。

1年前の準決勝では、同じ京都成章に21-24と惜敗。再戦が決まってからは「俺らの分まで頑張ってくれ」と、涙をのんだ先輩たちからSNSで激励を受けた。当時も2年生で主力だった楢本は「2度も同じ相手には負けられない。一番良かったのは勝てたこと」と、リベンジ成功に笑顔だ。

今年のチームについて藤田雄一郎監督(49)は「3連覇した時に近いものがあるし、それ以上と感じる局面がある」と話したことがある。小手先だけのプレーはなく、どんな相手にも真っ向からぶつかる。「痛い」プレーを恐れず、特にこの日光ったフォワード戦には自信を持ってきた。指揮官は「東が強かった時ってそこ。目の前にいる選手に対してどれだけアプローチしていくか。東福岡が東福岡であり続けるためにはそこをしないと」。今年は09年から3連覇を果たした黄金時代と同じ、それ以上かもしれない。

5日の準決勝は、東海大大阪仰星とのAシード対決。昨年の準々決勝では、引き分け抽選の末に“勝利”した。藤田監督は「今大会は仰星さんが1歩、2歩リードしている。それに向かっていく。強いと思います」と警戒した。直近4大会は全て4強止まりの東福岡。鬼門突破へ、真の勝利をつかみにいく。【只松憲】

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◆歴史的ドロー 21年1月3日、第100回大会準々決勝の東福岡-東海大大阪仰星戦は21-21で「2分」と告知されたロスタイムへ。後半36分に東福岡がインゴールでボールを押さえたが、ノーボール・タックルの反則で幻のトライに。同38分にも東福岡が敵ゴール前15メートルでペナルティーを得たが、PGでなくスクラムを選び、トライならず。仰星のノックオンで笛が鳴った時、時計表示は「48分5秒」だった。準決勝出場権は抽選で東福岡が獲得。仰星・湯浅監督は「感動です」と泣き、東福岡・藤田監督は「100回大会でこんな試合ができ、すがすがしい」と胸を張った。

◆最強のライバル対決 花園の東福岡-東海大大阪仰星戦は仰星の5勝4敗1分け。すべて準々決勝以降で実現している。初対戦は03年度の83回大会、準々決勝で激突した。仰星が34-22で東福岡に勝利した。2戦目以降は4勝4敗で、その試合に勝った方が優勝している。前回大会は引き分けだった。