日本、北米、欧州の3地域対抗戦で、世界初の4回転半成功者イリア・マリニン(米国)が躍動した。

9月の国際大会で、史上初のクワッドアクセル(4回転半)を決め、世界に衝撃を与えてから約1カ月。来日した17歳は、この日も高く高く跳び上がった。

冒頭の4回転半こそ、着氷で手をつき体勢は崩したが、その後の4回転4本はわずかな回転不足がありながらも、雄大なジャンプを重ねていった。得点は193・42点だった。

前日7日の公式練習では、4回転を6種類7本組み込む異次元構成にも挑戦した超新星。試合後の一問一答はこちら。

    ◇    ◇    ◇

-4回転半はある程度の勘所はつかめたのか?

トレーニング時に、いろいろ着氷がうまくいかなかった時にどこに課題があるかをしっかりみていき、基本的には解決はしている。どうやって跳べばいいか、基本はしっかり理解している。今日はほんのちょっとうまくいきませんでしたが、入り方などもしっかり感触はつかめてきている。

 

-5回転への意欲は?

今回、みんなで話しているのはシーズン中は、シーズンに集中した方が良いのか、5回転を試した方が良いか。検討はしました。ですが、ゴールは今季はシーズンに集中してやっていったほうがいいだろうと。シーズンが終わった後に、心に余裕あれば5回転を試すことはあるかも知れません。

 

-4回転7本というのを今季やる予定は?

今季の始めは、いま自信をもって跳ぶことができるジャンプに集中していきたい。後半になれば、場合によっては少し追加するかもしれません。最後のほうに場合によっては7本跳ぶことも検討するかもしれませんが、いまはまだその段階にありません。

 

-羽生選手の影響に関して

私がスケートを始めた当初から、大いにインスパイアされてきました。そもそも4回転半を試そうかなと思ったのも、羽生選手を見てです。私が見ている中では羽生選手が一番近いところにあったと思いますし、最も、絶対に跳びたいという意欲を見せていらっしゃった。試してみようと思った時に羽生選手のやり方を大いに研究しまして、そこから自分のやり方を考えて試してうまくいったという流れです。スケートを始めた当初から彼こそがインスピレーションでした。それを聞いて羽生選手が喜んでいるというのも聞いてとてもうれしいです。

 

-コンポネーンツの改善は目指しているか?

ここ数年セカンドスコアが伸び悩んでいます。いまはステップシークエンスですとか、ムーブメントとかに時間を割いている。上がるように努力している。いままで自分のスタイルがなんなのかというのが、なかなか見いだせなかった。最近になり、素晴らしいスケーターの方たちのスケートを実際に見る機会に恵まれ、それをうまく取り込んで、組み合わせて、自分流に展開していくということをした結果、いろいろ実って結果が出始めた段階ではないかな。