フィギュアスケート男子で10年バンクーバー五輪代表の織田信成(35)が、陰口などのモラルハラスメントで精神的苦痛を受け、関大アイススケート部の監督辞任に追い込まれたとして、19年11月に当時同部コーチだった浜田美栄氏(63)に1100万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁(松本明敏裁判長)は2日、請求を棄却した。

浜田氏も織田に対して名誉毀損(きそん)で損害賠償を求める訴訟を起こしており、同地裁は織田に対して220万円の賠償を命じる判決を出した。

22年12月に行われた口頭弁論では、織田が「浜田コーチからの数々の行為が原因」と監督辞任の理由を説明し「風通しを良くして、若いコーチが育つ環境をつくりたい」と訴えた。一方、浜田氏は無視などを否定した上で「人を陥れるのは犯罪。裁判の結論が欲しい」と主張しており、全面対立のまま結審し、松本裁判長は判決期日をこの日に指定していた。