21年東京五輪で金、銀、銅メダルを獲得した伊藤美誠(23=スターツ)が、パリ五輪シングルス代表入りを逃した。6回戦で木村香純(トップおとめピンポンズ名古屋)に3-4(11-7、11-13、11-7、11-8、10-12、9-11、7-11)で逆転負けを喫した。
パリ五輪のシングルス代表は2枠。選考レース3番手の伊藤は、2位の平野美宇(木下グループ)を34・5点差で追う立場だった。3試合に臨んだこの日は4回戦から2戦連続でフルゲームの末に勝利したが、最後に力尽きた。
試合後は会場の端で涙を流し、会見では目を赤くしながら率直な心境を口にした。
◆伊藤の主な一問一答
-率直な心境は
「今大会は初戦からフルセット。最終試合は3-3になる前に仕留めるべきだったと分かっていたのに、フルセットになってしまいました。床での3試合(6回戦まで)は全ての選手が平等にきつい。去年の全日本でお尻、腰を痛めたので再発しないようにと思っていましたが、3試合ともフルセットとなり、元々痛めていたところにきていました。他の選手も乗り越えていて、自分も乗り越えようと頑張ったが、たどり着かなかったです」
-約2年の選考レースを振り返って
「五輪のためにTリーグも参加した。チームメートを久々に持つこともできた。試合では楽しいと思うことが少なかったですが、だんだんとやり方を変えていくことで、楽しいと思うやり方に変わっていき、楽しく試合ができたり、練習したりすることができました。ただ、大事な試合の前に体調を崩すこともありました。(昨年12月の)WTTファイナル名古屋でせきが激しくなり、1月1日からぶり返してしまいました。そこで恐らく肋骨(ろっこつ)にひびが入ってしまって、息を吸っていたい、寝転んでいたいとなった。ここ2日くらいで痛みが3割くらいになり、耐えて、耐えて、耐えまくとと思ったが、耐えられなかったです」
-パリ五輪はどのような位置づけで目指してきたか
「私が東京五輪に出ている最中から目指している選手もいましたが、私は五輪後に時間をたくさん空けて、やっと『五輪』と口に出し始めました。楽しくやり始めるために、五輪に出たい、優勝したいと。『チーム美誠』と一緒に行きたかったが、それが達成できないのが心残りです。そこが一番悔しい。自分が行けなかったというより、一緒に五輪へ行けなかったというのが悔しいです」
-東京五輪では3つのメダルを獲得した。伊藤選手にとって「五輪」とはどのような舞台か
「東京の時には誰も成し遂げないようなことを成し遂げることができたと思います。さらに成し遂げたいところへ行きたかった。歴史に名を残したい気持ちもありました。東京五輪が終わってからは、五輪を目標にするのはやめておけばよかったという瞬間はたくさんありました。ただ、パリでの五輪はどうなるんだろうと想像できないところもあって、目にしたかった、みんなと一緒に行きたかったと。五輪では歴史となることをつくりあげたと、自分で感じています。金、銀、銅を取った時は余韻に浸れなかったですが、もっと余韻に浸ればよかったなと思います」
-パリ五輪の団体戦代表に選出される可能性がある
「シングルスで優勝したいと目標にしていた。団体戦に選出されても出るかは決まっていない。落ち着いて、どこまでやるかをしっかり考えたい。自分の昔からの目標は『良いところで辞めたい』というものなので、これで終われない気持ちもあるが、終わりたい気持ちもあります。でも良いところで終わりたいので、もうちょっと頑張ります」


