25年初戦の鍵山優真(21=オリエンタルバイオ/中京大)が初優勝を飾った。ショートプログラム(SP)首位で迎えたフリーは3位の182・22点。合計289・04点とし、280・56点で2位のダニエル・グラッスル(イタリア)を8・48点差で振り切った。女子もSP3位の住吉りをん(オリエンタルバイオ/明大)が、合計204・29点で初優勝。23年の山本草太と三原舞依に続き、2大会連続の男女制覇となった。
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ぬいぐるみに囲まれたキス・アンド・クライで、鍵山は表情を変えずに得点を聞いた。地元イタリア出身のコストナー・コーチから拍手を受け、初優勝決定を冷静に喜んだ。「点数はもう何でもいいや」。新たなジャンプ構成に挑戦し、演技中から課題を見ていた。
競技会で初めて大技に挑んだ。アクセルを除いた4回転ジャンプで、最も基礎点が高いルッツ。前半に組み込んだが、1回転に抜けた。「うわっ、やっちゃった」。直前には得意の4回転サルコーで転倒と本来の質に至らず、同コーチに「新しい要素を加えることは常に難しい」と評された。
世界の頂点へ、必要な挑戦だった。昨年11月のNHK杯では、大会中の公式練習でルッツを着氷。本番では入れない前提ながら、関係者を前に「『意欲があるんだ』とアピールしたかった」と先を見据えた。シーズン前半の大一番となる12月のグランプリ(GP)ファイナルでは、世界王者のマリニン(米国)がフリーで4回転6種7本の構成に挑戦。その時点で3種4本の鍵山は「まだまだほど遠い」と自己分析していた。
この日新たにルッツを加え、4回転は4種4本。今季の集大成となる3月の世界選手権(米ボストン)では、5本に増やして「やっと肩を並べて戦える」構成にする見通しだ。全日本王者が新たに加えた、大学生世代が集う国際総合大会のタイトル。貪欲な男は満足せず、2月11日にフィギュアの初日を迎える冬季アジア大会(中国・ハルビン)でも完成度を高めていく。


