24年世界選手権代表の三浦佳生(かお、20=オリエンタルバイオ/明大)が、昨年10月のGPスケートアメリカ以来1年1カ月ぶりに表彰台に立った。フリー3位の163・89点とし、合計253・69点。ショートプログラム(SP)から1つ順位を上げて銅メダル。10月の同フランス大会10位から復調して、4位の友野一希(27)を2・23点上回った。来年2月のミラノ・コルティナ五輪代表3枠を巡る争いが続く中、最終選考会の全日本選手権(12月19~21日、東京)へ明るい兆しが見えた。
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三浦はフィニッシュポーズを解くと、野球の審判のように両手を広げた。「何とか転ばずに滑り切れた。セーフ、セーフと」。冒頭から3本連続で4回転ジャンプを決めるも、残り4本は全て着氷が乱れた。それでも転ばずに耐え、大崩れはせず。「光が差してきた」と明るかった。
もともとはミラノ五輪の有力候補だった。23年に男子史上最年少の17歳8カ月で4大陸選手権を制し、24年に世界選手権初出場。ただ左太もも痛の影響もあり、低迷。同10月のGPスケートアメリカで3位になってから、主要大会の表彰台に立てなかった。痛みが癒えた今季も、10月のGPフランス大会で10位。今大会は「ここでダメなら間違いなく消える。(五輪選考の)テーブルから落ちる」と背水の陣で臨んでいた。
不振から脱するべく、苦戦続きのフリーの演目を変更。昨季の曲に戻し、ジャンプのタイミングを計りやすくした。さらにメンタルトレーナーに自らアドバイスを求め、本番前に他選手の演技を見ない試みも始めた。この日は「自分のゾーンに入っていた」と打開策が奏功。後半でジャンプの着氷ミスが続いても「1点でも多く取ろう」と冷静に滑り切ったことが、久々の表彰台につながった。
五輪切符の行方は、全日本選手権で決する。年末の大一番へ「ぶちかましたい」と気合十分。本来の強気な姿勢が、言葉に宿っていた。
○…友野はミスが続いて4位となり、表彰台を逃した。2本の4回転ジャンプで転倒し、締めのスピンでもバランスを崩した。SP2位から後退し「まだ磨けた面があった。(練習で)いつも完璧かと言えば、そうではなかった」と振り返った。次は14日開幕のGP第5戦スケートアメリカ。初の五輪を狙う27歳は「ジャンプでミスをしても、それ以外はやれることを全て出し切りたい」と見据えた。
◆男子シングルの五輪代表争いの現状 出場枠は3。北京五輪銀の鍵山がエース格。7日開幕のNHK杯で今季GP初戦を迎える。2番手争いは、10月のGP中国杯を制した佐藤がリード。残り1枠は友野、三浦、壷井、山本らが争う。全6戦のGPシリーズ上位6人によるファイナル(12月4~6日、名古屋)に進めば、代表選考で優位になる。すでにGP1戦目を終えた日本勢では佐藤の進出が有力で、友野も可能性を残す。年末の全日本選手権が最終選考会となる。


