今年も熱戦が繰り広げられる夏の甲子園。18日は今大会初めてとなる休養日を迎えて試合がない。ベスト8に残った学校は19日の準々決勝に向けて調整にあてる。

それにしても前夜17日の大激戦が頭から離れない。大社(島根)が早実(西東京)をタイブレークの末にサヨナラで下した試合だ。

ヒーローは11回で149球を投げ抜き、2失点に抑えてサヨナラ打も放った馬庭優太投手(3年)だった。ただ、石飛文太監督(42)の試合後のインタビューで語っていた11回無死一、二塁での話がおもしろかった。

「あの場面で選手を集めて聞きました。『ここでバント決められる自信があるもの手をあげろ』と。そうしたら、安松は手を挙げて『サード側に決めてきます』と言ってくれたので、私は信じるだけでした」

打席に送られたのは県大会も含めてこの夏初出場の安松大希捕手(2年)だった。ここでハッと思い出した言葉があった。それは2回戦の創成館戦の試合後。「今後はどういうプレーを選手に期待するか」との問いに対する石飛監督のこんな言葉だ。

「ここから登場する選手もいますので。期待です」

安松は甲子園のベンチ入り20人で唯一、島根大会で出場のない選手だった。もちろん、2戦を終えて甲子園での出番のない選手もいたため、その選手も含めての言葉だったと思う。それでも、あの重圧のかかる場面で有言実行の三塁側へのバント。それもラインぎりぎりへの絶妙なものでサヨナラをお膳立て。その活躍を予言していたかのようなコメントを思い出してびっくりした。

結果的には馬庭がヒーローとなった。それでもこれまでの努力が大舞台で実り、サヨナラを呼び込んだ。その裏には練習を重ねて自信を得た選手と監督との信頼関係があった。

「大社旋風」が巻き起こる今年の甲子園。学校近くにある出雲大社の後押しも受けながら、快進撃を続けていく。【林亮佑】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)