千葉県成田市は16日、2020年東京パラリンピックの事前合宿地として、アイルランド・パラリンピック委員会と覚書をかわした。

 陸上、水泳など選手、スタッフ約40人が、同市内に宿泊して中台スポーツパークを拠点に、本番に向けて調整する。五輪へ向けた合宿では、市民との交流も行う。

 この日、成田市役所で会見したアイルランド・パラリンピック委員会のミリアム・マローンCEOは、「事前キャンプに大切なアコモデーション(宿泊施設など受け入れ環境)に尽力していただいていることが分かり、ありがたい」。成田市の小泉一成市長は、「共生社会の実現に力を入れ、招致活動を積極的に行ってきた。覚書締結につながりとてもうれしい」と話した。

 アイルランド・パラリンピック委員会関係者は昨年6月に来日し、中台スポーツパークなどを視察した。陸上競技場の改修を控えていたこともあり、成田市側は直接、車いすの選手にとって必要な段差の解消や、シャワールームの手すり設置など具体的なアドバイスを受けたという。改修は今年3月に終了し、同委員会の幹部が15日に再び同競技場を視察した。前回も視察に訪れた、2000年シドニー・パラリンピックの競泳金メダリストでパフォーマンスディレクターのデイビッド・マローン氏は「私たちが伝えたことが反映されていてとてもうれしかった。選手たちも喜ぶと思う」と話した。