男子レスリングが大ピンチに立たされた。リオ五輪へのラストチャンスに、グレコローマン4人に続いてフリーの4人も惨敗。65キロ級の新星、藤波勇飛(19=山梨学院大)もリオへは届かなかった。予選はすべて終了し、フリーで出場権を獲得したのは74キロ級のエース高谷惣亮(26=ALSOK)ら2人だけ。グレコの2人と合わせて五輪出場4人は、08年北京大会の6人を下回る男子過去最少となった。
藤波が天を仰いだ。今年のパンアメリカン選手権覇者モリナーロ(米国)を最後まで攻めたが、6-7で惜敗。前回ロンドン五輪で米満が金メダルを獲得した階級(当時は66キロ)だけに「必ず枠を取る」と話していたが、初のシニア大会で力が及ばなかった。
全6階級で早々と出場を決めた女子に対し、男子は2回の世界予選で1枠も取れず。リオ大会から女子の階級が4から6に増えたと同時に男子は7から6に削減。日本が得意な軽量の階級が減って苦戦は予想された。それでも、日本協会の栄和人強化本部長は「強化が甘いと言われても仕方がない」と肩を落とした。
それでも、悲嘆に暮れている時間はない。出場枠を獲得した選手は、いずれもメダル候補。北京大会でもフリー3選手のうち2人がメダルを獲得したように、予選突破は世界のトップにつながっている。52年ヘルシンキ大会から続く男子レスリングのメダル獲得を継続させるのは、最大の使命。「4人を徹底的に鍛え、メダルを取らせるしかない」と栄本部長は悲壮な決意で話した。
20年東京五輪の目標に「金メダル10個」を掲げる日本レスリングだが、リオでマットに立てるのは10人しかいないのだから。



