バドミントンの田児賢一、桃田賢斗らによる違法賭博問題で、日本バドミントン協会は19日、違法カジノ店に2度行ったことがあると申告した日本代表Aの西本拳太(21=中大)に対し、代表選手の指定解除と厳重注意の処分を下した。これまで処分された9人中、桃田以外の8人はバドミントンの名門、埼玉栄高出身。同校OBの田児が同期や後輩を誘っていた背景が、より明らかとなった。
桃田と同じ21歳で、東京五輪男子シングルスの星として期待される西本も違法店に出入りしていた。西本は、協会が14年度以降の代表選手、スタッフ計106人に対して行った調査で、違法カジノ店に2度行ったことがあると申告。協会は調査結果を明かした18日に名前を伏せていたが、この日名前を公表した。
賭博行為を行い処分を受けた8人と違い、西本は18日の聞き取り調査で「賭博行為はしていない」と主張している。だが、協会は日本代表指定を解除する厳しい判断を下した。銭谷欽治専務理事は「処分が重いという意見もあったが、公費を遠征費などに使っているA代表選手としての責任を重く受け止め、このような処分とした」と説明した。代表を外れたことで国際試合へは派遣されないが、試合には変わらず出場できる。早ければ来年1月の代表復帰へ「今後の活躍によって信頼を得られるよう期待している」と話した。
一連の問題でNTT東日本所属以外の選手名が出たのは初めて。見えてくるのは母校の“先輩後輩”関係だ。NTT東日本の調査によれば、常習性の高い田児が率先してチームの同僚を違法店に連れていった。そのうち桃田以外は埼玉栄高出身。今回新たに分かった西本も同校出身だった。西本の「ついてこい、と引っ張られて行ってしまった」との申告内容からは、断れない状況が伝わってくる。
田児は卒業後も頻繁に同校に行き、自身の練習や後輩の指導をしていた。今年に入ってからも訪れていたという。関係者によれば「決して高圧的でなく、面倒見のいい先輩」。一時期世界ランク3位となるなどトップ選手だった田児は敬われていた。ただ、それは断れない理由にならない。
協会はJOCなどに調査結果を報告するとともに、再発防止に本格的に取り組み始める。近く行われる代表合宿に警視庁の専門家を呼ぶ予定だ。【高場泉穂】


