国学院栃木は「兄貴分」の国学院久我山(東京第2)を破ることができす、2回戦敗退となった。奪ったトライは2つのみで、久我山に走られる展開が続いた。

 主将でNO8の福田陸人(3年)は「花園での1勝の難しさを改めて感じました。目標だった正月を越せなくて悔しさが残る」と肩を落とした。

 福田は、卒業後は明大でラグビーを続ける。高校3年の夏休みに、大学に進学するためにかかる金額を聞いて、福田は衝撃を受けた。以後、夜遅くまで仕事に励む母裕子さんを気遣い、進学が決まってからは食器洗いをすることを決めた。「親も大変だから、少しでも力になりたいんです。僕にはこれくらいしかできないけれど…これからも迷惑をかけるだろうから、花園で自分なりの恩返しをしたい」。

 久我山の主将でNO8の大石康太(3年)とは名前で呼び合う仲で、大学でも切磋琢磨(せっさたくま)を誓う。「(大石)康太には大学で一緒にやっていこうな、次の試合も頑張れよと話して、握手しました」。福田のラグビー人生は続く。「この悔しさは大学でチャレンジします」。そう言い、花園を後にした。