体操界に美しき新王者が誕生した。男子決勝で、予選2位の谷川翔(かける、順大)が合計172・496点で優勝し、「キング」内村航平(29=リンガーハット)の11連覇を阻止した。
19歳2カ月での優勝は、96年に19歳4カ月で制した塚原直也を超える史上最年少記録。手足まで神経の行き届く日本伝統の美しい体操で、新エースに躍り出た。04年アテネ五輪団体金メダリスト米田功氏が谷川の演技を見つめた。
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高得点といわれる86点台を予選、決勝と続けて出せたのは谷川翔と白井の2人だけ。内村と白井が引っ張ってきた12年ロンドン五輪、16年リオ五輪の代表から世代交代が急務の日本男子に現れた救世主だ。特に、難度を表すD得点をあまり下げずに、美しさを評価するE得点で52点台をマークできる選手はそういない。
特に、あん馬で14点後半の点数を取れるのは、苦手な選手が多い中で大きなアドバンテージだ。あまり背が高くなく、腕が長いのは、腕で体を支えるあん馬には向いている。加えて、現在のE得点を重視する傾向に、体線が美しい演技は非常にマッチしているだろう。
実は、前評判は高かった。大会前の試技会に行った審判や協会関係者の中では「今回の翔はすごい」と言われていた。その力を、いかんなく発揮した結果だろう。まだ若い。大学3年ぐらいが、1番、伸び率が高いだけに、この先がすごく楽しみだ。(04年アテネ五輪団体金メダリスト、日刊スポーツ評論家)


