アメリカンフットボールで反則問題を起こした日大が17日、関東学生連盟へ今季出場停止処分の解除を求めるチーム改善報告書を提出した。新監督候補に元立命大コーチの橋詰功氏(54)を選んだことも報告した。連盟は今後検証委員会で報告書を精査して答申し、31日までに理事会で処分を解除するかを決定する。

 日大加藤部長が午後4時すぎに都内の連盟を訪れ、報道陣を避けて事務所の近隣で報告書を手渡した。提出期限ギリギリで、処分解除へ望みをつなげた。内容は公表されていないが、連盟からは真相究明、再発防止、体制一新の3点セットで改善を求められている。

 外部有識者の選考委員会では、69人の応募者から橋詰氏を新監督候補に選び、日大常務理事会でも報告された。立命大出身で94年からWRコーチとなり、全米王者になったオクラホマ大留学。攻撃コーディネーターとして、03年からライスボウルで日本一連覇に貢献した。08年からは立命館宇治、14年から立命館守山のコーチを務めている。

 4度日本一の元京大監督の水野氏が有力ともみられていた。78歳の年齢、現役との世代ギャップなどから選出されなかったとみられる。橋詰氏は戦術などの実績は申し分ないが監督経験はない。今後決めるというコーチ体制作りの人脈や統率力は未知数ともいえる。

 これですんなり解除といくかは不透明だ。内田前監督は要職を解任され、全コーチや介入していた理事も辞任した。表面上の体制は整備されてきたが、大学自体は依然として反則は監督指示だったと認めていない。きちんと真相が究明され、再発防止が実行されるか疑問視する声も根強い。解除ありきの日大に対して、不信感を持つ連盟理事や他校関係者も少なくない。処分解除されるか微妙な状況に変わりはない。