世界7位の錦織圭(29=日清食品)が2年連続で8強入りした。過去9戦全勝で、同58位のククシュキン(カザフスタン)に、6-3、3-6、6-3、6-4で勝ち、68年オープン化(プロ解禁)以降、ウィンブルドンで2度ベスト8に入った初の日本男子となった。

過去、対戦成績で圧倒しているとはいえ、決して楽な相手ではない。ツアー屈指の回転数の少ない球が武器で、弾まない芝では、すべてのショットが滑ってくる。それを持ち上げてネットを越えさせるのは、集中力と足腰のバネが必須だ。

しかし、錦織は集中を維持し、伸びのある球で相手のストロークを押し込んだ。1~3回戦を、すべてストレートで勝ち上がり、前日の7日は休養日として、コンディションは準備万端。体力には何の問題もなかった。

世界最古の4大大会ウィンブルドンで、2度以上8強以上の成績を残した日本選手は、戦前で清水善造(20、21年)、佐藤次郎(31~33年)、戦後では女子の伊達公子(95、96年)の3人だけだ。

また錦織が新たな歴史を刻み、準々決勝では33年佐藤次郎以来、86年ぶりの日本男子4強入りをかけ、10日に同3位のフェデラー(スイス)と対戦する。

▽錦織の話 今日はつらかった。やりにくかった。フォアもバックも低く、スライスのような弾道で打ちにくかった。(ボールも)切れなかったし。うまくしのげた。今日はしっかり我慢できた。ポイントを組み立てながらできた。(次戦はフェデラー)調子は悪くないので次も思い切っていきたい。

◆ウィンブルドンは、WOWOWで7月1日~14日、連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。