世界7位の錦織圭(29=日清食品)が、日本男子として、33年佐藤次郎以来86年ぶりの4強入りを逃した。大会最多8度の優勝を誇る芝の王者で、同3位のロジャー・フェデラー(スイス)に、テニスの聖地で6-4、1-6、4-6、4-6で敗れ、最新世界ランキングでトップ5復帰もならなかった。次戦は、7月29日開幕のシティ・オープン(米ワシントンDC)の予定だ。

フェデラー、そしてテニスの聖地の壁は高かった。準々決勝まで失ったセットがわずか1。疲れもなく、万全の体制で勝ち上がってきた。大会期間中にしては珍しく、3度連続で試合前日を休養日にし、体力温存も図った。それでも、打倒フェデラー、4強入りはならなかった。

しかし、18年ウィンブルドンから、すべての4大大会で8強以上の成績を残している。この安定した好成績は、錦織以外、世界1位のジョコビッチ(セルビア)、同2位のナダル(スペイン)しか達成していない。「我ながら評価できる。メンタルやテニスが安定してきた証拠」。

今年の1月の全豪以降、少しスランプ状態に陥った。しかし、それも完全に脱したようだ。「全仏、こことプレーの質は上がってきている」。29日からは、得意のハードコート・シーズンが幕を開ける。トップ5復帰に向け、そして悲願の4大大会優勝に向け、8月26日には全米(ニューヨーク)が始まる。

◆ウィンブルドンは、WOWOWで7月1日~14日、連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。